教育原理と社会的養護はニコイチ科目と呼ばれています。
この2科目はそれぞれ10問ずつの出題となっており、合計20問のうちの6割(60点)ではなく、それぞれの科目で6問以上正解しなければなりません。
私は試験前日に初めて解く過去問では満点を取っていたのに、試験結果では6割ちょうどの30点だったのでニコイチ科目のおそろしさを痛感しました。
20問中12問正解と10問中6問正解だと、実は10問中6問正解する方が難易度が高いんです。
このように問題数が少ないために、1問の比重がかなり大きくなっているのがニコイチ科目のこわいところです。
社会的養護を勉強するときのグループ分けとしては、社会福祉と子ども家庭福祉と福祉系の3科目セットとなります。
目次
社会的養護の勉強の流れ
まずは過去問を解く
福祉系の科目は、保育士試験9科目のうち難易度が高い3科目です。
そのため、保育士試験を受けるにあたってどういう問題が出題されているかを把握するだけで十分です。
福祉関係の専攻をしたことがない方や予備知識がない人にとって、1問でも確信を持って回答できる問題はまずないと思います。
「社会的」「養護」とは何なのか?
社会的養護という科目名ですが、そもそも「社会的養護」とはどういう意味なのでしょうか?
「社会的」な「養護」で「社会的養護」なのはわかっても、「社会的」も「養護」も具体的なイメージが湧きにくい言葉ですよね。
ここでは保育士試験に限った意味としてわかりやすく言葉を説明します。
ポイント
社会的・・・社会とはつまり、地域(学校や大人など)や必要な機関(児童相談所等)など子どもの支援に関するすべてのものです。
養護・・・「養」育と保「護」で「養護」、子どもの利益を最優先とし、心身ともに健やかに育つための援助のことです。
簡潔にまとめましたが、社会的養護における基本的な考えは上記だけで十分といえます。
実際に問題を解いているときなども、社会的(大人として)に正しいものではなく、あくまで子どもの利益を最優先させる、流行りの感じで表現すると「子どもファースト」という考えで解くとわかりやすくなります。
時事問題(ニュース)に興味を持つ
高校入試や大学入試などでもよく時事問題が出題されますよね。
時事問題と言うと聞こえは固く、対策の仕方がわからないので苦手意識を持つ方も多いですが、要は社会として起きている問題やニュースのことです。
例えば、虐待死事件、凶悪犯罪の加害者の精神鑑定など、悪いニュースではありますが、新聞やテレビだけでなく、ネットなどでも情報を目にします。
これらを毎回、その後を追うほど気にかけて見ている方は少ないと思いますが、実はさらっと見ているこのようなニュースが時事問題になるのです。
虐待問題や少年犯罪などはまさに社会的養護の試験範囲に入りますし、虐待のニュースでは必ずと言っていいほど自治体や児童相談所の問題が取り沙汰されますよね。
こういうことも社会的養護の勉強を通じて自分なりになぜそうなるかを考えてほしいと思います。
保育士試験に合格されたら保育園で働く方が割合的には多いかもしれませんが、保育士は児童福祉法上の資格ですので、児童福祉施設や放課後等デイサービスでも必要とされています。
また、虐待に関しては保育園でも早期発見・対処が重要な深刻な課題です。
普段の生活で何気なく目にする(二十歳未満の)子どもに関するニュースに対して、自分なりの意見や考えを軽くでもいいので考えるところから始めてみてください。
難しい科目だからこそ、最初からテキストを読まない
難易度が高い科目は早くからテキストを読み込んで、問題集をたくさん解いて試験に臨まなければならないと考えていませんか?
実際には、難易度が高い科目を最初からテキストで通読することは非常に困難、というよりかなりの苦痛を伴います。
早くから対策をすることはもちろん大事ですが、だからこそテキストから始めるのではなく、社会的養護のテキストや問題を見たときに「難しい」と感じないように下地を作っておくことが大事です。
勉強において大事なのは、「できそう」「わかりそう」という気持ちなのです。
同じ知識しか持っていなくても、気弱な気持ちで解くのと私なら解けるという気持ちで解くのでは後者の方が高得点を取れます。
これは思い込みで、「できる」「わかる」にしてももらっても構いません。
とにかく社会的養護に対して苦手意識や難しいとイメージを持っている方は、まずはそこを取っ払うことから始めてみましょう。
後述しますが、難しい科目はまずユーキャンアプリ等での一問一答で解いてみると解けたという自信が積み重なるのでおすすめです。
テキスト・参考書・問題集・過去問について
テキストと問題集に関しては、他の多くの科目と同様に完全合格シリーズのものをおすすめします。
他のテキストよりこちらのテキストが特別優れているというわけではないと思うのですが、私はテキストと問題集はこの2冊以外に手を出していないですし、受験後に足りなかったと感じた部分もないのでこちらで問題ないと感じています。
社会的養護の科目は5つの章から構成されていますが、「1 社会的養護の意義と歴史」の特に前半はわかりやすいので最初に一度目を通すことをおすすめします。
先ほども書きましたが、いきなりテキストや問題集に取り組んで実力がつく科目ではないのでスキマ時間などで一問一答をまずは一周してみてください。
私は以下のユーキャン資格本アプリで保育士試験のものを購入しました。
正答率はもちろん、全体の何%の問題に取り組んでいるかもわかるので一目で学習の進み具合がわかるのが個人的にはとても重宝しました。
保育士試験を初受験で全科目受けられる方は、勉強量や範囲の広さに圧倒されると思います。
実際に私も得意科目や苦手意識のない科目はともかく、どこから手をつけたらいいのかわからない分野については、一問一答を解いて試験準備をしていました。
ある程度試験問題を解くことに慣れてきた方は、過去問.comの分野別で社会的養護の問題をひたすら解くのもいいですし、分野別にはランダムで全問正解するまで終わらない機能を使うこともできるので、こちらで千本ノックのように鍛えるのもアリです。
過去問については、本試験と同じタイプのものは試験主催者の公式HPの過去問ページからPDFファイルのダウンロードが可能です。
ただ、無料とはいえ何回分も自宅やコンビニでプリントアウトするのは手間やインク代、印刷代などもかなりかかるので、こちらのシリーズの過去問題集も使用しました。
他の科目同様、保育士試験対策テキスト以外で使える資料や本なども紹介したいのですが、専門的な学術本や保育士養成学校で使うテキストしか見当たりませんでした。
こちらについては、引き続き良い読み物やテキストがないか調べますので見つかり次第追記させていただきます。
まとめ
社会的養護の勉強法についてお伝えしました。
ニコイチ科目の内容が難しいことや合格率が低いことは知っていましたが、直前で伸びた科目だったので受験後の自己採点で6割ちょうどだったときは本当に気が気でありませんでした。
保育士試験は6割取れればいい試験だから満点を目指す必要はない、みたいなアドバイスもよく見かけますが、最初から6割を目指してはいてはダメです。
理想としては8割得点する気持ち、実際に解く問題では7割を合格ラインとすべきです。
一発合格を目指す方であれ、数回に分けて受験される方であれ、ニコイチ科目には苦戦しやすいので十分な対策を練って試験に臨んでくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。