保育実習理論は実習と名がついていることからもわかるように、実際の保育現場に関する科目です。
保育士試験の実技試験は、音楽・造形・言語の3つから2つを選択しますが、保育実習理論ではこれらに関する知識を問われる問題が出てきます。
その他の問題では、保育所における子どもや保護者に対する保育士の対応の仕方、また児童福祉施設での実習に関する問題などがあります。
保育実習理論の勉強の流れ
他の科目と同様にまずは1年分の過去問を解いてみましょう。
試験主催者の公式HPの過去問ページからプリントアウトしたものだと、音楽に関する問題などが著作権の関係で楽譜が載っておらず解くことができないので、後でご紹介する過去問題集などを使うといいかもしれません。
解き終わったら、この科目は実技試験でもある分野がはっきりと分かれているのでそれぞれの勉強法について説明していきます。
音楽に関する技術
次に楽器、特にピアノの経験があれば、音楽に関する技術はほぼ勉強する必要はないと思われます。
その他楽器の経験がなかったり、音楽の知識に自信がなければ優先順位は高いです。
ピアノ(楽器)経験がない場合
まさしく私がそうでしたが、ピアノを含め楽器の演奏経験はまったくありませんでした。
保育士試験では保育実習理論の難易度は易しいと言われているようですが、音楽分野がまったくわからないからと逃げて最後の最後まで勉強を後回しにしていたくらいです。
それでも最終的にこの分野を確実な得点源にできたのは、YouTubeでほいくんさんの動画を見て学んだおかげです。
コードの理解から移調問題の解き方などは、テキストだけでは確実に理解できなかった自信があります。
音楽用語についてはひとつひとつ暗記というよりは語源を意識しながら理解すると暗記事項が格段に減ります。
dolce(甘くやわらかに)などは、お菓子でドルチェという単語が使われることが多いと思うのですが、そこからも「甘い」というイメージが湧きますよね。
他にも、accelerando(だんだん速くする)は英単語で加速するという意味のaccelerateからも想像がつきます。
英単語を覚えていないと解けないわけではなく、上記の単語をなんとなくアクセルと読めればある程度の意味が推測できます。
このように知っている英単語と似ている部分が音楽用語にあれば、意味を一気に理解した上で暗記することが可能です。
童謡の歌い出しや、楽曲や教育については半分捨てた感じでほとんど勉強しませんでした。
1問しか出題されない歌い出しの問題に、音楽経験のない私が勉強量を割くことは非効率でしたし、楽曲や教育に関する問題もここまでの勉強知識から2択くらいには絞れるようになっていたからです。
造形に関する技術
造形に関する技術は、音楽に関する技術より1問程度出題数が少ないです。
この分野は過去問を解いた時点でも、ある程度正答することができた方も多いと思います。
専門用語が使われていてもなんとなく意味が想像のつく単語が多いというのもありますね。
色に関する問題もYouTubeのほいくんさんの動画でわかりやすく理解できました。
図形問題のような平面から出来上がりの形を答えさせるような問題も出題されますが、これは図形問題が苦手なら深入りしないほうがいいかもしれません。
言語に関する技術
言語に関する技術は、保育原理と通じるものが大きいです。
子ども発達段階に応じての対応などは、そのまま保育原理で勉強している部分からも解くことができます。
絵本の作者とタイトル、昔話と国名を聞くような問題は、暗記事項が多い上に出題数が基本的に1問なのでほとんど勉強しませんでした。
音楽に関する技術の童謡歌い出し問題と一緒で、相当余裕がない限りきちんと暗記する必要はないです。
テキスト・参考書・問題集・過去問について
保育実習理論はテキストや参考書を一番使わなかった科目です。
その代わり、ここまでにも書いていますが、YouTubeでほいくんさんの動画を見て勉強していました。
YouTubeで視覚的に勉強したい方は桜子先生もおすすめです。
声の聞き取りやすさでは桜子先生の方が耳に入ってきやすいですが、ほいくんさんの場合は説明が独特で引き込まれるものがありました。
これは実際に両方のチャンネルを見てみて、ご自身に合った方、もしくはそれぞれ使い分けるなどするといいかもしれません。
紙のテキスト、問題集については両方とも保育士完全合格シリーズのものを使っていました。
保育実習理論に関してはほとんど開くことなく、試験前にちょろっと読んだだけですが、他の科目ではとてもお世話になったテキストです。
実技試験の範囲でもある音楽・造形・言語に関してはなるべくたくさんの問題を解きながら理解する方がいいと思うので、過去問題集や予想問題集もおすすめです。
予想問題集には上記のユーキャンのものと以下の成美堂出版のものがありますが、成美堂出版のものはかなり難易度が高いので予想問題で合格点を取れない場合にショックを受けてしまいそうな方にはあまりお勧めできません。
私も試験直前に解きましたが、多くの科目で合格ラインを超えなかったです。
逆にそれで危機感を持ってラストスパートをかけるつもりだったので、ここは本当にご自身の性格と相談してみてください。
まとめ
保育実習理論の勉強法についてお伝えしました。
楽器の経験があるかどうかで出題数の多い音楽分野に割く勉強量がかなり変わってきますが、そこを除けば難しい概念や単語などは出てこないので勉強のしやすい科目です。
保育原理、保育の心理学、保育実習理論は最初に取り掛かりやすい3科目ですが、保育実習理論は保育原理と合わせて学習すると相乗効果が生まれます。
9科目の勉強はなかなか大変ですが、科目間の関連分野のグループ化をすると無駄がなく効率良く勉強時間を使えます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。